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2007年10月 5日 (金)

団十郎を凌ぐ芳澤あやめ 136

 「千両役者」 の市川団十郎と云われていましたが、
 どっこい芳澤あやめさんは、団十郎のペイ (pay) を遥か超え、
 「千三百両役者」 であったそうです。
 他者の所得を詮索する事は如何なものかと思われますが、
 金額の大小は別として、あやめさんは
 その時代、江戸歌舞伎随一の役者、
 市川団十郎の人気をも凌いでいた事実のお知らせ。
 センセーショナル (sensational) 度、傾 (かぶ) き具合から
 見ても、芳澤あやめさんに軍配が上がる事は
 「さもありなん」 と思いますが、如何ですか?

 以前語りました様に、江戸時代の階層では
 彼らは、選民 (誤字) であり、芸能民 (網野善彦) の皆さん。
 特殊第三次産業、サービス産業に従事する方々で
 体制に組み込まれていなく
 体制からドロップアウト (dropout) された方々です。
 江戸時代のヒーロー (hero)、
 お江戸の市川団十郎、京の坂田藤十郎、大坂の片岡仁左衛門
 江戸時代のヒロイン (heroine)、
 江戸、吉原の 「高尾太夫」 さん
 京、 島原の 「吉野太夫」 さん
 大坂、新町の 「夕霧太夫」 さん
 そして、忘れてはいけない、上方の芳澤あやめさん。
 朝廷官僚、武士、庶民 (農・工・商行従事者) らの憧れの的である
 彼ら、彼女らは選び抜かれたアーティスト、選民です。

 とかく庶民の方の中には、羨望の故から、選民に対し、
 「河原乞食」 とか 「賤民」 と自虐的に命名されますが、
 それは、如何な物かと・・・・・。
 「河原」 は四条、五条の鴨川河原。
 出雲の阿国さん達がこの低コスト・人の集まる空間で
 イベントを催した事から。
 「乞食 (こつじき)」 にしたって、「僧」 の修行の一端?
 温かい心の持ち主から、カンパ (露kampaniya) を頂く行為に
 違いはありません。 続く。

菊薫る秋
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菊薫る秋

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