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2007年6月29日 (金)

アートディレクター平賀源内 87

 アートディレクター (art director) とは、広辞苑で

 1 演劇・映画などで、舞台・小道具・背景・衣裳などの
   美術的効果を指導する者。美術監督。
 2 広告制作で、美術部門を統括する者。

 と説明されています。

 一方、わたくし共、アパレルに携わる者にとっては、
 かっての 「グッチ (Gucci) のトム・フォード」 が
 アートディレクターの存在になります。
 (クリエイティブディレクターとも)
 
 一昔前、グッチと云えば、
 男性諸氏にとっては 「贈り物」 用として、
 女性の皆さんにとっては 「ご自分へのご褒美」
 として、欠かす事のできないブランドでした。

  1921年ルネッサンス発祥地、フィレンツェで創業のグッチ社
 (グッチオ・グッチ) の経営危機を救った、
 アメリカ生まれのトム・フォード。

 基本的には、ディオール社の創業者、クリスチャン・ディオール
 亡き後、ディオール社を引っ張ったのは、

 イブ・サンローラン ⇒ マルク・ボアン
  ⇒ ジャンフランコ・フェレ ⇒ ジョン・ガリアーノで、
 職種はあくまでも服飾デザイナー。

 てな感じで、あくまでもデザイナーさんがそのブランドの
 ヘゲモニー (Hegemonie 独=指導的役割) を担っています。
  (創造的で素敵な服作りに専念すると云う観点。)

 それに引き替え、
 トム・フォードは純然たる服飾デザイナーではなく
 「グッチ (Gucci)」 ブランド総ての幻想制作者的存在。

 ここの所が、「新し目」。
 服飾デザイナーではなく、経営的見地を含めたブランド存在
 維持保持者の役目を担い、美事、瀕死の 「グッチ (Gucci)」 を
 再び、世界に冠たるブランドに仕立て上げました。

 このアートディレクター (クリエイティブディレクター) 的存在が、
 遡る事、約250年前にこの日本に出現していたのです。
 そのお方こそ、誰あろう奇想天外な 平賀源内です。    続く。

明け方の朝顔
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明け方の朝顔

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2007年6月27日 (水)

平賀源内 羊を飼育 毛織物に 86

 多分、出島オランダ商館でお仕事をしていた南蛮渡来人、
 この時点では彼らを何と呼んでいたのか知りませんが
 とにかく 「西洋人」 のどちら様かが、船に乗せて 「羊」 を
 日本に持ち込んでいたと想像できます。
 彼らの 「食用」 で有ったのか、「ペット」 で有ったのか、
 はたまた、「毛織物用」 で有ったのかは不明ですが、
 この日本の出島に 「羊」 が生息していた事は事実です。
 
 平賀源内は新しい知識を得んが為、
 藩命及び自費で、度々長崎出島を訪れています。
 そして、彼40代の時、出島で飼育されていた羊を発見。
 「羊の毛が織物に変身」 する知識を得、
  早速、彼は羊を頂いたのか、買ったのかは分かりませんが、
 何とその羊を生まれ故郷の讃岐高松に持ち帰り、
 飼育を試る快挙に。
 (遊牧の民と違い船で讃岐まで送りつけた考えます。)
 十分な毛の分量になるまで大事に育て、イザ、毛の刈り取り、
 逸る心で紡績し、拙いながらも、「毛織物」 の出来上がり。
  その生地は、平賀源内の本名、国倫 (くにとも) を取り、
 「国倫織」 ブランドとして販売するに至ります。

  しかしながら、この企画は、
 1 発想の斬新性
 2 消費者の「絹」「綿」に長年馴染んでいる故の
   コンサーバティブ (conservative=保守性) な発想
 3 生地の風合いの悪さ (粗雑な生地性、最初の試みだから)
 4 生命体 (羊さん) 故の環境に対する対応脆弱性
 5 平賀源内の毛織物企画フォロー者の欠如
                等々の理由でぽしゃってしまいます。

 良くアパレル業界のデザイナーさん達が口にします。
 次期商品発注展示会などで
 バイヤー (buyer) の食いつきが良くない (発注が付かない) 際、
 「このデザインは早過ぎた。」
 多分に、企業内デザイナーさん達にとっては
 その時点での
 「バイヤー発注商品」 を予測できなかっただけですが・・・。

 しかしながら、企業内デザイナーさん達の名誉の為に、
 バイヤー発注商品は次シーズン
 店頭 (小売りショップ) で必ず、売れる商品とは全く限りません。
                                                                続く。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月25日 (月)

江戸時代の鬼才 平賀源内 85

 江戸時代中期に讃岐高松藩で出生した希代の天才、
 平賀源内 (1728~1779)。 時代的背景も彼に味方。

 時は、ラッキーにも紀伊藩出身で徳川家将軍になれた、
 徳川吉宗の享保時代から、宝暦年間を挟み、
 田沼意次が画期的な重商政策を試みた明和 ・安永時代。
 新しい事にチャレンジ可能な土壌が整っていました。
 とは云え、「天才」 は環境はどうあれ、
 天才と回りの皆さんに称されるのは、日々
 「閃 (ひらめ) き追求と飽くなき努力の積み重ね」 の結果。
 とかく生存時よりも、死後に 「であった。」 になりますが、
 (大概、生きている際は 「変わり者」 の呼び名)
 誰しもこの称号を頂ける方にはなれません。

 讃岐高松藩は桃山時代に、織田信雄の生母 「吉乃?」 の
 お兄さん、生駒親正 (1526~1603) が秀吉より頂いた土地。
 生駒家は江戸時代に入り、
 徳川家光の外様大名排除政策の煽りを受け、
 潰しにかけられます。 
 その後、御三家の水戸藩主、徳川頼房の長男、
 松平頼重 (1622~1695) が藩主となり、
 明治時代を迎える事になります。
 二代目藩主は徳川 (水戸) 光圀 (水戸藩二代藩主) の息子、
 松平頼常 (1652~1704) に。
 (一方、水戸藩は松平頼重の息子、徳川綱條が継ぐ事に)
 
 その様な土地柄で平賀源内は、この世に生を受けました。
 この後の平賀源内は皆さん良くご存じ、
 本草学者、発明家、企業家、蘭学者、
 アートの分野では、戯作作家、陶芸家、蘭画家(油絵)、
 等々の何でもこなす 「お洒落で素敵で粋な方」

 私ども ZIPANGU は、ファッションに関わる部分の
 平賀源内を次回から紹介します。 続く。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月23日 (土)

高級紳士服地のウール Ⅹ 84

 この時期の日本は 「梅雨」 の季節。
 今でも 「食」 のベースを担う 「お米」。
 外圧により、国内食料自給率が40%台にされ
 青息吐息の状況でも生産量は №1 です。
 その 「稲作」 にとっての滋養である 「水」。
 温帯モンスーン気候、我が日本で水をもたらす時期の梅雨。
 人間に取りましては、じとじとして鬱陶しくても、
 「お米」 にとっては、欠く事のできないお日柄になります。
 
 じめじめ蒸し暑いこの季節、昨今は二酸化炭素を出す事能わずで
 専ら 「cool biz.」 とか。
  今年のドイツ北部のリゾート地ハイリンゲンダムでが開催された
 G8サミット (主要国首脳会議) の中心議題は
 「地球温暖化問題」。
 長い歴史を持つヨーロッパの国々の
 「大人の倹約策」 と
 未だ浅い歴史にも関わらず、世界経済を引っ張り続けるアメリカの
 「貪り消費を止められない事情故、やんちゃな弥縫 (びほう) 策」
 とのせめぎ合い。
 その間 (はざま) で生真面目にも
 「京都議定書」 を遵守しようとする日本。
 
 ほんの僅かな二酸化炭素削減策、政府御用達の 「cool biz.」。
 涼しいとされる 「サマーウール」 が
 ジャケット (上衣) を脱げないお洒落なビジネスマンの味方。
 基本的にはウールは防寒を旨としています。
 綿と麻はその点防暑用途可ですので問題がありませんが、
 すぐ皺 (しわ) になってしまう弱点を持っています。
 よれよれのスーツではいくらファッションと演出 (騙) されても
 折り目正しいお仕事には似合いません。
 そこでの登場が皺になりにくいサマーウールの登場です。
 長毛 ・極細の糸を使用し、ざっくり織りした生地でのスーツ。
 とは云っても、一歩外に出たら 「アッッジー」 の世界。
 そこを我慢が 「ファッションの基本」。
 ファッションには暑さ寒さ論理は決して通用いたしません。
 又、「汗をかく」 事も 「メタボ」 の対策になるやも???

 羊毛の話をしたいが為に
 絹(シルク)→麻(リネン)→綿(コットン)→毛(ウール)
 の四つの天然繊維につきまして展開しました。
 「粋と鯔背な江戸時代」 と 何処に繋がりが有るのかと訝る皆様
 次回をお楽しみに。 乞うご期待。 続く。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月21日 (木)

トルコのモヘア・アンゴラ Ⅸ 83

*モヘア (mohair goat)
 小アジア (Asia Minor) 昔々のアジア (Asia)
 = 古代オリエントの国のアッシリア (Assyria)
  = 日の出る所。
 今では、アジアの西で黒海 ・エーゲ海 ・地中海にはさまれた
 アナトリア半島でトルコの大部分が
 モヘアの発祥地と云われています。
 現在では、南アフリカ、アメリカテキサス州等が主な産地。
 モヘアは 「アンゴラ山羊」 の毛。
 アンゴラ (Angora) はトルコの首都アンカラ (Ankara) の旧称。
 このモヘアもアルパカと同じく、子山羊さんが柔らかい毛。
 ベビーから子供時代の山羊の毛 (kid mohair) が上質です。

*アンゴラ (angora )
 アパレル業界で云うニット素材での 「アンゴラ」 は
 モヘアのアンゴラ山羊ではなく、
 同じくこの地方で飼われていた 「アンゴラ兎 (うさぎ)」 の毛。
 山羊さんではなく、兎なのです。
 風合い表現で 「毛」 は、絹・朝・綿と違い 「滑 (ぬめ) り」 と
 云う詞が付与されています。
 動物ですから滑りの有る肌 ・毛になると考えますが、
 女性の滑らかな肌合いと比較しては努々(ゆめゆめ)なりません。
 
 トルコアンゴラ地区には山羊、兎の他に 「アンゴラ猫」 がいます。
  それぞれ毛足が長く柔らかい毛の持ち主になります。
 私ども ZIPANGU の 「子猫」 は、「命婦の大臣」 です。
 
*キャメル (camel)
 駱駝 (ラクダ) の事。
 背中にコブが二つある種類のラクダが服地 ・毛布地になります。
  昨今、世間から追い払われ気味の 「煙草」 ではありません。
                                    続く。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月19日 (火)

獣毛 カシミア Ⅷ 82

 カシミア素材は以前に比べ 「高嶺の花」 では無くなりました。
  しかしながら、ご注意を。
 「カシミア」 と一概に云われても、書かれても、映像化されても、
 色んなカシミアがありますので必ずや
 ご自分の感性 ・感触でお確かめになりお買い求め下さい。

*カシミア (cashmere goat)
 インド北西部、カシミール地方で住んでいた山羊さんから
 「カシミア」 と命名されました。
 本当のカシミアは南米産ビキューナに次ぐ風合いです。
 現代では、
 中国黄河の上流地域、中央アジア等々で飼育されています。
 本当のカシミアでスーツ服地を作製する場合、
 スーツ一着分は約30頭のカシミア山羊の毛が必要です。
 故に本当のカシミアは 「高価」 になります。
 ここだけのお話しですが、
 このフレーズで「秘密事」が、公になってしまいますが・・・。
 一万円代の 「カシミアニット製品」 は、
 本当のカシミアではありません。
 お金に余裕のお有りの方は、ノーマルな 「カシミアニット」
 とお比べになればその違いが 「よーく」 解ると思います。 続く。

 ★ ―色々なカシミア100%― ★

 カシミア山羊さんの柔らかいうぶ毛がカシミア糸の原料に。
 山羊さんのうぶ毛色は大きく分けて

 ☆ ホワイトカシミア
 ★ モノトーン系カシミア (グレーから黒まで)
 ★ ブラウン系カシミヤ
 
 例えばカシミアのロングコートの場合
 「黒」 はモノトーン系カシミアの糸を使用
 「茶」 はブラウン系カシミヤの糸を使用

 こんな感じで高級カシミアコートカラーは限定されます。
 しかし、本当のカシミアであれば
 山羊さん所有の僅かなうぶ毛を集めて糸にする訳ですから
 これでさえ十分お高い金額になるのは当然です。
 (デザインにより異なりますが、ロングコートで
  約30~35頭のカシミヤ山羊さんのうぶ毛を頂戴する事に。)

 ましてやおや、女性用のカラフルな特にパステルカラーは
 ホワイトカシミアの糸を染色せざるを得ず、
 数少ない内の数少ない分量になる為、
 勢い最高価格になってしまうのです。

追 最近の廉価なカシミアニットは
   基本的にはピュアーカシミア100%ではありません。
   くれぐれもご注意を!!!
  
 この10年位 「パシュミナ(pashmina)」 と云う素材が登場。
 カシミヤ山羊さんより小振りな山羊が原毛との事です。
 生息地はヒマラヤ山脈の標高4000m以上とも。
 
 廉価なカシミアニット氾濫に対する 「差異表示」 感がありますが、
 これらのニット製品をお買い求めになる際には、
 必ず、ご自分の感触で 「気持ち良い物」 をお選び下さい。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月17日 (日)

獣毛 ビキューナ等 Ⅶ 81

 何と云っても、獣毛の極めつけは、「ビキューナ」。

*ビキューナ (vicuna)
 グローバル (global) な点対称の目線で日本の裏、
 南米アンデス山脈の高地 (6000m以上) で
  昔は人間に虐められず、
 ひっそり生息していた山羊さんです。
 彼 ・彼女の 「毛」 を布にした秀逸素材に味わえる機会は
 今は殆どと云って難しい感じ。
 某デパートのストール (マフラー) 売り場では、
 「桐の箱」 に収納され販売されています。
 チャンスがあったら是非一度、感触を味わって見て下さい。
 思わず、「うっとり」 笑みがこぼれます。
 そのお値段には、目の玉が飛び出てしまいそうですが・・・。
 高価格なのは、経済原則の 「希少性」 の因からですが、
 単に供給量が少ないと云う理由の高価性ではなしに、
 この素材には 「魔力=味わい深さ」 が存在します。
 
*アルパカ (alpaca)
 この山羊さんも南米、ペルーを中心としたアンデスの山岳地帯に
 生息し ・飼育されています。
 これはウール素材の服地・ニットとして産業化されていますので
 ニット等の高級アイテムとして皆様耳にしていると思います。
 人間と同じく、
 赤ん坊の柔肌 ・毛 と 薹 (とう) が立った大人の肌 ・毛。
 子山羊 (baby alpaca) の方が純粋無垢で親山羊に比して
 柔らかさと云ったら雲泥の差があるのは火を見るよりも明らか。
 アルパカはベビーアルパカを是非ともお選び下さい。
 
*グァナコ (guanaco)
 アンデスの山岳地帯で野生で生息している山羊さん。
 主に毛布などにされています。

*ラマ (llama)
 ビキューナ、アルパカ、グァナコ共にこのラクダ科の動物です。
 アジアに生息する駱駝 (らくだ) と異なり、
 南米で生活するラクダ科の動物は 「コブ」 が有りません。
 ラマは主に、人間の 「足」・毛皮用等に利用されています。 

  以上の獣毛が南アメリカ大陸の代表の皆さんです。 続く。

 尚、彼ら彼女らの絵 (画像) は、
 「ウールマーク (wool mark.jp)」 でご覧頂けます。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月15日 (金)

「毛」 雑種羊毛 Ⅵ 80

*雑種羊毛種 (crossbred  wool)
 これは、メリノ種 (主にオーストラリア) とレスター種 (英) の
 羊を交配してできた緬羊。
 両方兼ね備えいますので、メリノ種に比して繊維が太く、長繊維で
 弾力がありますので主にニット等の素材として利用されています。
 特にニュージーランド産の羊毛は殆どこれにあたります。
 又、パタゴニア (Patagonia) のアルゼンチン側で飼育されている
 ブンタ羊毛 (アルゼンチンの港町(積出港)の名前) も
 この雑種羊毛種になります。

 これで、今現在の主要な羊毛産地国は中国を除き網羅しました。

 中国の緬羊は、
 主にインテリアテキスタイルとして利用されています。
 羊毛ではありませんが中国 (内蒙古自冶区) のカシミアは
 この10年から15年に渡り、資本の論理を目一杯使い、
 量産の 「主にカシミアニット製品」 夥しく市場に出現させ、
 「カシミアのイメージ」 を悉く壊してしまいました。
 このお話しは、又、別の機会に。

 蒙古と来たら 「蒙古斑」 (お尻の青アザ) 現在の両横綱は
 「モンゴル人」 私達、日本人と同じ 「モンゴロイド」。
 スポーツ界ではいち早く取り入れたインターナショナル感覚。
 曙関には若干違和を感じましたが、
 朝青龍関と白鵬関に感じないのは、青アザ同士だからかしら

 後は、羊と来たら 「ジンギスカン」。
 以前、ロマンを求め海を渡り、
 北海道地区で勉学?に勤しんでいた際に初めて
 あの、へんてこりんな鍋で 「食」 した経験があります。
 
 思わずお話しが逸れてしまいました。
 次回は 「羊毛」 のお友達 「獣毛」 について。 続く。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月13日 (水)

「毛」 英国種羊毛 Ⅴ 79

*英国種 (british  wool)
 オーストラリア・南アフリカが羊毛産地になる以前は、
 何と、大英帝国が羊毛の大生産地だったのです。
 今現在でも羊毛の供給先として名を連ねています。
  今や世界のリーダーは、主にイギリスの低所得階層の方々の
 移民先、北アメリカ大陸の 「アメリカ合衆国」 に譲っていますが、
 18~19世紀までは世界のリードオフマンでした。
 
 イギリスの緬羊は、飼育地別に、

 南部のサウスダウン、シロップシャー、オックスフォードダウン種
 である短い毛のダウン (down=尨毛) 種の産地。
 ニット用の素材に適しています。

 中部のリンカーン、レスター等の長い毛の緬羊の産地。
 繊維長は20㎝もあり、これ又、高級素材に。

 北部のチェビオット、スコッチ、ウェルシュ、シェットランドの産地。
 寒い地方の緬羊なので、毛が前二つよりも粗く、剛毛。
 故に、ツイード (tweed=綾織り)、
     ホームスパン(homespun=平織り) 等の
 ラスティック (rustic=粗野な) な素材に供されます。

 この様な背景がイギリス⇒毛織物⇒テーラー (tailor)⇒凄い
 と云う 「幻想」 が未だに罷り通っています。
                                                               続く。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月11日 (月)

「毛」 メリノ種羊毛 Ⅳ 78

 キリスト教徒が世界を制す時代に突入します。
 先ずカソリック系のスペイン・ポルトガルが
 大航海時代と称せられた世界侵略作戦に乗り出します。
 がしかし、「奢る平家は久しからずや」 でキリスト教内での
 セクト (sect) 分裂が生じ、
  やがてプロテスタント系のオランダがその役割を担い、
  同じくプロテスタント系のイングランド王国がスペインの
 無敵艦隊を破るに至り(1588年)、完璧に選手交代、
 イングランド王国は七つの海を制す、
 「大英帝国」 の道へと直 (ひた) 走る歴史が続きます。
 スペインで飼育されたいたメリノ種の羊を自国に入れ、
 服地の供給先へと変貌と遂げます。
 そのイギリスは自国生産に留まらず、
 侵略先の南アフリカ、オーストラリアにメリノ種の羊を移植します。
 それらの結末が、今現在、アパレル向け羊毛の供給先として
 オーストラリアは№1の位置に、
  南アフリカ共和国はウルグアイに継ぐ№3の座を占めています。
 
 オーストラリア羊毛 (豪毛) の中でも、
 タスマニア島で飼育されている、スーコンタスマニア系の羊毛は
 最高級で高級婦人服素材、メンズ礼装用素材になっています。
                                    続く。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月 9日 (土)

「毛」 メリノ種羊毛 Ⅲ 77

 羊毛の種類としては

*メリノ種 (merino wool)
 主にオーストラリアと南アフリカ共和国で飼育されている羊。
 細く、柔らかい毛が特徴。繊維長は8㎝~10㎝位。
 主に梳毛 (そもう) 服地用に使用される。
 梳毛とは羊毛の繊維を解きほぐし (梳 (す) いて) 短い繊維を
 取り除き、長繊維のみを直線上に並べ揃え、撚りをかけた糸。
 「髪を梳く」 と云う和語は既に死後になり、
 「朝シャンの後のブラッシング」 に。
 
 遊牧の民であるムーア (Moor) 人
 (北西アフリカ地方のイスラム教徒の呼称) が8世紀頃に
 イベリア半島を征服。彼らが飼育していた 「羊」 が
 「メリノ種」 の原初と云われています。
 未だに続いているキリスト教徒とイスラム教徒との諍い。
 昔のイベリア半島では、キリスト教徒側のイスラム教徒排除作戦、
 「レコンキスタ」 と云われる闘いが繰り広げられました。
 両者の闘いは、
  771年よりスタート、
 1492年の 「グラナダの陥落」 でエンディングを向かえます。
 この間、
   756年 後ウマイヤ朝 (首都はコルドバ)
  1035年 アラゴン王国
  1139年 ポルトガル王国
 1238年 グラナダ王国 (アルハンブラ宮殿が有名)
 1476年 スペイン王国 (カスティリア・アラゴンの合同)
 
 日本では
 女帝称徳天皇が崩御し、天智天皇系の光仁天皇が即位 (770年)
 した奈良時代の終わり頃から始まり、
 鳥羽上皇が院政をしいていた時にポルトガル王国
 応仁の乱の終了時点でスペイン王国
 管領、細川政元が起こした明応の政変 (1493年) の前年で終了
 ってな感じのとっても長期間に渡るイザコザでした。

 その結果、
 イベリア半島には 「メリノ種の羊」 が取り残される事に。
 良質な服原料は、スペイン国王によりメリノ種の羊を門外不出とし
 犯す者は死刑に処する程でした。(羊の禁輸措置)
                                     続く。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月 7日 (木)

「毛」ファッション(fashion)Ⅱ 76

 中央アジア遊牧の民の 「お友達 (家畜)」 として
 飼われる様になった 「羊」。
 やがて牧羊がヨーロッパ、アフリカ、北アジア、インド
 更には、アメリカ大陸に広がります。

 現在の羊毛生産量は、6/1付け繊研新聞に依りますと
 クリーン換算 (脂付きではなく) で120万2000トンとの事です。
 アパレル (apparel = 服、特に既製服) 供給先と
 インテリア (interior) テキスタイル用供給先を含め

 オーストラリア  30万1000トン (ap)
 中国  17万8000トン (in)
 ニュージーランド  16万5000トン
 アルゼンチン   4万8000トン
 ウルグアイ   3万4000トン (ap)
 南アフリカ   2万8000トン (ap)
 イギリス   2万8000トン

  と紹介されていました。

  ウールの発祥地の中央アジアは供給先として
 顔を覗かせていません。
 「消費経済社会」 に未だに与せず、
 原生活パターンを崩さない頑なな民族集団性を死守しています。
 飽くなき貪り欲求を追求せず、
 ご自分達の日々の営みを続ける為の
  「羊」 達との 「お友達関係」 を継続されています。

 この 「生き方」 が何年か後
 海に沈んでしまう島、国々を無くす事になるのでしょう? 続く。

雨とあやめ
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雨に煙る菖蒲

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2007年6月 5日 (火)

「毛」ファッション(fashion)Ⅰ 75

 最後の天然素材の 「毛」。
 通称皆さん 「ウール (wool)」 と呼んでいます。
 「麻」 と 「綿」 は 「植物繊維」
 「絹」 と 「毛」 は 「動物繊維」
 但し、「絹」 は 「お蚕」 さんが 「神秘的」 な糸を
 を私達にお恵み下さっているのに対し、
 「毛」 は当に 「羊」 自身の防寒用の 「毛」 です。
 私ども農耕民族の日本人と異なり、狩猟遊牧民の方々は
 昔から 「羊」 とは 「お友達」 関係。
 ひつじ (羊) さんにとっては、ありがた迷惑な話だったかも。
  彼は、ある時は人のお腹に入り、
  又、ある時は防寒用の 「服」 とされる宿命?
 一方、人間に取りましては、甚だ 「重宝」 な存在?
 品質表示の 「毛 100%」 の
 コート、スーツ、ジャケット、スカート、ニット等は、
 彼らのフサフサとした 「毛」 で出来上がっており、
 私達は、その 「毛」 を纏い、羽織っているのです。
 「羊毛」 が普及した第一原因は、
 彼らの毛の表面に 「スケール (鱗状のもの)」 があるからです。
 それ故、毛同士が絡み合いやすく、
 甚だ 「紡績」 をし易かったのです。
 又、毛の内側の皮質部 (コルテックス) は、生育過程で
 良く生育する部分と育ちが悪い部分が程良く調和し、
 繊維自体に引き連れが生じ、
  波型状態 (捲縮) (クリンプ = crimp) になっています。
  これが、ウールが温かく、と弾力性を生む原因となり、
 更にシワになりにくい要因となっています。 続く。

雨とあやめ
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雨に滴る菖蒲

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2007年6月 3日 (日)

天然素材と世界四大文明 Ⅹ 74

 昨年話題になり、大学入試で継子いじめ扱いされている
  「世界史」。
 効率のみを考える現代風なやんちゃな高校生は
 ご存じないと思いますが?
 世界史の始まりは、
 猿 → 猿人 → アフリカの母 と来て、お次は
 「世界四大文明」
 
 1 ナイル川流域の 「アフリカ文明」
 2 チグリス・ユーフラテス川流域の 「メソポタミア文明」
 3 ガンジス・インダス川流域の 「インド文明」
 4 黄河・揚子江流域の 「中国文明」

 神秘な 「水」 <aqua=アクア (ラテン語)、water>
 生命の源で
 私達の体内にも流れ、
 どの様な金属も溶かしてしまう 純水 = みず の辺
  (ほとり)で生活し始めたと思われる
 私達 「人間」 のご先祖さん達。
 
 ややこじつけがましいですが、
 四大天然繊維がそれぞれこれらのエリア (area) の代表です。

  麻 アフリカ文明 原初の繊維
  毛 メソポタミア文明 遊牧の民と羊
  綿 インド文明 繊維の王様
  絹 中国文明 布の女王

 何とはなしにイメージ通りと思われませんか???
 ホンの何年か後には、地球を担ってくれる国々に
 再登場して下さる感じがします。
 と云うよりも、彼ら彼女らなしには物事が進まない状況に
 陥ってしまうのではないかと考えられます。

 そして次回は最後の天然素材の 「毛」 になります。 続く。

雨とあやめ
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雨に滴る菖蒲

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2007年6月 1日 (金)

縞 ストライプ・チャック柄 Ⅸ 73

 綿素材、先染めの 「縞」 柄について
 
 オランダがインドを制圧した後、(後のイギリスも含め)
 インドに古来から伝わる綿織物の生地及びストライプ・チャック柄
 が自国は元より、
 西洋文化押しつけを担った軍艦の寄港地に紹介されます。
 我が日本にも、先進的、革新的、彼らの文化利用を謀る、
 織田信長の時代にそれらを取り入れる事になりました。

 これ以前 「縞」 柄は、室町時代中期以降の 「勘合貿易」 等
 を通して一部の方々は目にし、茶器などをくるむ
 「名物裂 (きれ) =布」 として 「お宝物」 扱いされていました。
 但し、さすがは長い歴史文化を持つ中国 (明) 経由ですので、
 単なる真似事ではなく、
 ストライプ・チャック柄は素材を 「絹」 に置き換えていました。
  又、「綿」 素材のストライプ・チャック柄は、
 意匠 (テキスタイルデザイン) を凝らした 「古渡唐桟」 に。

 それはさて置き、廉価な綿素材は江戸庶民に皆様方に取り、
 「100円ショップ」 「某ユニ○○」 「某青○」 的な感じ?
 勢い 「チープ (cheap) ファッション」 の旋風を巻き起こしました。
 
 日本語の 「縞 (しま)」 はストライプ・チャック柄の総称。
 「糸」 偏 (辺) に関わる方々は、お洒落にも
 南蛮の 「島々」 から伝わった事から、「シマ」 と命名。
  尚、縞柄につきましては、
 「お江戸庶民の縞柄の着物」 をご覧下さい。 続く。

雨とあやめ
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雨に滴る菖蒲

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