「毛」ファッション(fashion)Ⅰ 75
最後の天然素材の 「毛」。
通称皆さん 「ウール (wool)」 と呼んでいます。
「麻」 と 「綿」 は 「植物繊維」
「絹」 と 「毛」 は 「動物繊維」
但し、「絹」 は 「お蚕」 さんが 「神秘的」 な糸を
を私達にお恵み下さっているのに対し、
「毛」 は当に 「羊」 自身の防寒用の 「毛」 です。
私ども農耕民族の日本人と異なり、狩猟遊牧民の方々は
昔から 「羊」 とは 「お友達」 関係。
ひつじ (羊) さんにとっては、ありがた迷惑な話だったかも。
彼は、ある時は人のお腹に入り、
又、ある時は防寒用の 「服」 とされる宿命?
一方、人間に取りましては、甚だ 「重宝」 な存在?
品質表示の 「毛 100%」 の
コート、スーツ、ジャケット、スカート、ニット等は、
彼らのフサフサとした 「毛」 で出来上がっており、
私達は、その 「毛」 を纏い、羽織っているのです。
「羊毛」 が普及した第一原因は、
彼らの毛の表面に 「スケール (鱗状のもの)」 があるからです。
それ故、毛同士が絡み合いやすく、
甚だ 「紡績」 をし易かったのです。
又、毛の内側の皮質部 (コルテックス) は、生育過程で
良く生育する部分と育ちが悪い部分が程良く調和し、
繊維自体に引き連れが生じ、
波型状態 (捲縮) (クリンプ = crimp) になっています。
これが、ウールが温かく、と弾力性を生む原因となり、
更にシワになりにくい要因となっています。 続く。
雨に滴る菖蒲
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