「麻」ファッション(fashion)Ⅰ 61
絹織物を着用できない庶民の皆様は専ら、麻素材のお着物。
麻と云っても、長繊維の 「リネン」 ではなく、
短繊維の 「ラミー」 です。
リネンは現代では、夏素材として
ジェケット・麻100%のニット、カットソーに使用されています。
*カットソーとは、cut & sow の略でジャージー素材服の総称です。
皆さんお召しの 「Tシャツ」 「ポロシャツ」 「タンクトップ」等。
尚、ボリューム商品 (廉価商品) の麻混紡商品の殆どは
短繊維の 「ラミー」 を使用しています。
Tシャツ等の裏左脇に必ず付いている 「品質表示」
綿 65% 麻 35% の麻は殆どが廉価な 「ラミー」。
平安時代中期以降、宮中警護要員としてスタート、
庶民の範疇であった 「北面の武士」 から始まる
戦闘軍団の 「武士」 の制服はこのラミー素材になります。
ラミーは日本語表現では、「苧麻 (ちょま)」。
今現在は服の世界で見る事は至難の業ですので
皆さんイメージし難いとも思いますが、
「お米の60㎏の麻袋」 や 「水止め用の土嚢の麻袋」 の素材。
この素材の利点は、肌触りさえ気にしなければ
非常に 「丈夫」 な点にあります。
故に、戦闘服としても日常普段着としての
「直垂」 「袴」 のスーツである
皆さん時代劇でご覧になる事が可能な 「武士姿」 になるのです。
続く。
あ や め
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