江戸の消火は破壊消防 53
小火 (ぼや) 程度でしたら瓶に貯蔵している 「水」 で
事が足りる可能性がありますが、
それ以上の火の勢いになりますと桶ですくった水では
とても太刀打ちができません。
ですので、取りあえずは 「大事な物」 のみを持ち
現場から遠ざかるのが命を保証する唯一の手段になります。
故に現場の方々は消火活動を放棄せざるを得ません。
この江戸時代の消火作業軍団は 「定火消し」。
彼らも水で消火する作業チームではありません。
専ら、類焼防ぎの 「破壊消防」 に頼らざるを得ませんでした。
その上この組織は明暦の大火の後に設置された消防隊。
更に、彼らは町の火消しは主とせず
大名火消し (1643年設置) と遜色がなく、
江戸城類焼防火に専念する消防隊だった感じです。
この軍団は江戸幕府役人 (旗本) の方々が担いました。
早い話がご自分達の職場を守る部隊だった模様です。
町で起きた火事なんぞはほったらかし。
自然鎮火を待つのみの消火作業軍団だったのです。
火は酸素と燃える物がなくなれば収まります。
「とても大らか過ぎますでしょう。」
しかしながら、これが現実の状況だったみたいです。
そして、町消防機関ができるのはまだまだ先の事でした。 続く。
牡丹
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