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2007年1月 3日 (水)

そして、「生け花」 池坊 61

2007年 年頭に当たり、
     明けまして、おめでとうございます。

 早速ですが、昨年の続きのお話しです。
 昔はわび (侘び)・さび (寂び)・ゆうげん (幽玄)
 今は、WABI (和美)・SABI (差美)・MOE (萌恵) に。

 今日は、お正月の3日ですので、ちょいと 「みやび」 に。
  『枕草子』 清少納言さんの中から。

☆村上の前帝の御時に の段
 「雪のいみじう降りたりけるを、様器に盛らせ給ひて、
  梅の花を  挿して
、月のいと明きに、
  『これに歌よめ。いかが言ふべき。』 と、
  兵衛の蔵人に賜せたりければ、
  『雪月花の時。』  と奏したりけるこそ、
  いみじうめでさせ給ひけれ。
  『歌などよむは世の常なり。
  かくをりにあひたることなむ言ひがたき。』 とぞ、仰せられける。」

☆三月三日は の段
 「うらうらとのどかに照りたる。桃の花のいまさきはじむる。
  柳などをかしきこそさらなれ、それもまだまゆにこもりたるは
  をかし。ひろごりたるはうたてぞみゆる。
  おもしろくさきたる桜をながく折りて、
  おほきなる瓶にさしたる
こそ
  をかしけれ。桜の直衣に出袿して、まらうどにもあれ、御せうとの
  君たちにても、そこちかくいて物などうちいひたる、いとをかし。」

☆清涼殿の丑寅の隅 の段
 「北の隔てなる御障子には、荒海の絵、生きたるものどもの
  おそろしげなる、手長足長をぞかきたる。上の御局の戸
  おしあけたれば、つねに目に見ゆるを、にくみなどして笑ふ。
  勾欄のもとに青き瓶の大きなるすえて、
  桜のいみじうおもしろき枝の五尺ばかりなるを、
  いと多くさしたれば、勾欄の外までこぼれ咲きたる、
  昼つ方、大納言殿、桜の直衣のすこしなよらかなるに、
  濃き紫の固紋指貫、白き御衣ども、
  うへに濃き綾のいとあざやかなるを出だしてまいり給へるに、
  うへのこなたにおはしませば、
  戸口の前なるほそき板敷にい給ひて、ものなど奏し給ふ。」

 等々、彼女の描写には、数多の自然背景草木が登場します。
 そして 「生け花」。
 既に彼女の時代でさえ、雪 ・花器に花木を挿しています。
 そこ彼処 (かしこ) にある花木の枝を折り、花器などに入れ、
 愛でていた様子が伺えます。
 それも又かなり大きいのです。
 尺の単位を直近の1尺=30.3㎝としても、約1.5mの桜の枝を
 オブジェ (仏 objet) にしている事実。
 昨今の 前衛フラワーアーティスト の方々も ビックリか?
 花器を彼女は 「瓶」 と表現しています。
 どの様な瓶だったのか興味がありますが知る由もありません。
 受けの花器もかなりビッグな物であったに違いありません。
 お洒落なのは、この時代の男性の方がお髪 (ぐし) に
 花木を挿しています。「藤原道長様?」 をご覧下さい。

☆草は の段
 「前略 蓮 (はちす) 葉、よろづの草よりもすぐれてめでたし。
  妙法蓮華のたとひにも、花は仏に奉り、実は数珠につらぬき、
  念仏して往生極楽の縁とすればよ。また、花なき頃、
  みどりなる池の水に紅に咲きたるも、いとをかし。
  翠翁紅とも詩に作りたるにこそ。 後略」

 こちらにある様に、仏様に花を手向 (たむ) ける現象の方が
 「たとひ」 ですから、より以前からあった感じです。
 故に、「生け花」 の原初は、仏壇に供える仏花になります。
 それを証明するのが、「華道(花道) の家元」 の 「池坊」。
 頂法寺 (天台宗)、通称、六角堂と云われるお寺さんの
 偉い住職 (執行) のお住まいが池の畔 (ほとり) にあり、
 いけのぼう になったそうです。
 その住職さんが六角堂の仏前にお花を供えていたのですって。
 たぶんお花をふんだんに使用し、豪華絢爛だったやも。
 昨年紹介しました、足利義満の時代には義満のお住まいで、
 「七夕法楽花会」 と云うイベントが開催されていたそうです。
 要は飲めや歌えやの大宴会。
 その会場 (室町邸 ・北山邸) の
 室内インテリアの一つとして、花を生けた感じです。
 足利義教 ・義政の時代では、
 池坊専慶や山科家の家司 (家の事務担当者) 大沢久守、
 同朋衆(どうぼうしゅう、将軍や大名の側で雑事係のお方。)の
 立阿弥(りゅうあみ)らが
 フラワーアーティストとして花を飾っていたようです。
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 やがて、応仁 ・文明の乱により、質素 ・倹約 ・辛抱の時代へ。
 豪華絢爛の花の時代から、シンプルな 「一輪挿しの時代」 へ。
                                                            続く。

 本年も宜しく御願い申し上げ奉りー  ZIPANGUスタッフ一同

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