高貴(あて)なる紫色 10
後残るは長期に渡り絶賛された 「紫」 色です。
なぜ 「紫色」 がナンバーワンであり続けたのか?
日本の伝統色並びに草木染めの研究をさなっている先生方
におかれましては、この点につきましては、
近代経済学的経済合理性に基づくご説明になっています。
(完全後付?なのです。)
紫色の染め原料の 「紫根」、紅(赤)色の染め原料の 「紅花」 は、
非常に手に入りにくく、希少性からくる高価な原料であった為と、
皆さん述べられています。
しかしながら、
この論理ですと、両色ともにトップにならなければなりません。
冠位十二階制 | (603年) | 推古帝 | 紫 青 赤 黄 白 黒 |
冠位十三階制 | (647年) | 孝徳帝 | 紫 緋 紺 緑 黒 |
冠位二十六階制 | (664年) | 天智帝 | 紫 緋 紺 緑 黒 |
諸臣四十八階制 | (685年) | 天武帝 | 赤 紫 緑 葡萄(えび) |
改定四十八階制 | (690年) | 持統帝 | 赤 紫 緋 緑 縹 |
諸臣三十階制 | (701年) | 文武帝 | 紫 緋 緑 縹 |
養老令 衣服令 | (718年) | 元正帝 | 紫 緋 緑 縹 |
(天武・持統帝の赤は朱華) |
赤は
推古天皇の時代(とき)は№3、天武・持統天皇で初めて№1、
以外は常に№2。
それに比べて、
紫色は
天武天皇の時代(とき)の除けば、
すべて№1の位置をキープしています。
その後の時代もずーっと一等賞なのです。 続く。
☆ 紅花が別名、末摘花(すえつむはな)と云われた訳は、
「紅花は 略 、橙黄色のアザミに似た花で、初夏の頃花を開く。
この花弁と摘んで紅の染料 略 、それを摘むのは早朝露のある
頃にまず外側(末)の開いた花びらを摘み、翌朝また開いた部分
摘む。これを三、四日続けて花を摘み終わる。」 とあります。
長崎盛輝さんの「色・彩飾の日本史」から。
源氏物語 末摘花の巻
「(鼻は)あさましう高うのびらかに、先の方すこし垂りて(赤く)色
づきたること・・・。」 と。今の美的センスでは (目) 鼻立ちが整
い西洋的な血が混じっていてハーフっぽく感じ、
或いは 「公家鼻」 って感じもして中々と思うのですが・・・・・。
『千年の恋 ひかる源氏物語』 では、鷲尾真知子さんが。
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