奈良朝の服(鏡・歌舞伎座) 12
私共の鏡の前に立たれた皆さんは、必ずや、こうおっしゃいます。
「ウチの鏡ではぜ・ん・ぜ・ん 「綺麗」 に見えないわよ」 って。
それは、はっきり言ってそうなんです。
大概、皆様お持ちの大きな鏡は、
姿見の縦のみ高い鏡・洗面所の横に長い鏡 (垂直)
マンションにお住まいの方は、
玄関の壁に埋め込まれた鏡 (垂直) です。
お職業柄、特大サイズをお持ちの方は除きます。
まずこの垂直が具合が悪いです。
鏡に映った素敵なお姿を見ている目線は、
顔以外のお姿を 「下」 に見る事になります。
ステージで歌ったり・踊ったりされるお方。
舞台で振る舞われる歌舞伎役者さん。
達を皆さんご覧になる目線は 「上」 を観ますよね。
変な日本語。
要は下から見ていますよね。
ここなんです。
この見方は、そこで振る舞われているお方が、
その本もの?よりも、より綺麗に・より大きく観えるのです。
ちょいと意地悪な言い方をすると、
歌舞伎座の一般席よりもチケット代が高い
二階席の両サイドの枡席に極上の 「おめかし」 を
なさったお嬢さん・ご婦人方は
「玉三郎より 「私」 の方がひょっとしたら綺麗。?」 って
錯覚できるのです。
これは、パリ・ミラノのオペラ座のVIP席も然(しか)りです。 続く。
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