正絹布 織り文様 枕草子 48
みやびの世界でお召しになっておられた 「布」 は基本的には 「絹」。
それ以外は考えられないのですが、何せ約1000年前。
「枕草子」 では、「綿衣(わたぎぬ)」 と云う表現でわた(綿)入の
ガウンかハーフジャケットか不明なのですが綿入りの何かをかけて
お昼寝したと云う風に書いてあります。
この綿にしても、くずまゆ(屑繭)をほぐして乾燥させた真綿の事
だろうと思いますし。
この真綿も繭ですので絹100%になります。
故に、真綿があったのなら、お布団ができても良かったと思うの
ですが、十五回で語りましたように、どうも敷き布団までにはならな
かったみたいなのです。
敷き布団だと軽過ぎて使い勝手が悪かったのかも?
「枕草子」 に記述されている布に類する物を書き出してみます。
▼ 生地とおぼしき物
輸入物(中国製)の錦(にしき)
輸入物(中国製)の羅(うすもの)
正絹(すずし)
練絹(ねりぎぬ)
掻練襲・懐練襲(かいねりがさね)
(これは、布味と色名があり、色だと表裏共に紅色との事)
▼ 織り方とおぼしき物
織物(ひらおり)・綾織(あやおり)
固織(かたおり)
浮織(うきおり)
▼ 地織り文様かプリント文様とプリント方法
摺(す)り物
村濃(むらご)染め
巻(まき)染め
絞(しぼり)染め
この位しか出てきません。
錦は厚い布で多色の糸を使用して織り上げた物、中国からの
輸入物が上等だったみたいで、今の最高級と云われているイタリア
のコモのほとり(畔)で生産された 「絹布」 の様な物だったのか?
現在コモ湖から全世界に供給されている状況の感じ。
私共も 「絹布 」 はこちらより輸入。
「絹」 は 「綺麗な水」 が 「命」。
「コモ湖」 には、二人ですわ(座)ってペダルをこ(漕)ぐ白鳥の
乗り物は、決して浮かんでいません。 続く。
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