襲色目(春は曙・あけぼの) 27
平安朝のみやびの時の染色で使用される 「色数」 は非常に
少なかったようです。
野にある草木から (中国等からの輸入物も含め) 抽出して染料
を作っていました。
「草木染め」 の詳しい事は、十八回で紹介しました、
山崎・吉岡さんのご本でお調べ下さい。
とかく、私達は、「新しい」 ものを欲しがります。
その歴史の事実は、今も日々連綿と続いています。
平安の世では、
数限りある 「色」 ですので、勢い 「新色」 が欲しい。
と云う事と、例えば桜の 「花びら」 の 「色」 を身にまと(纏)いたい。
と云う 「思い」 が、染色された布を重ねる事により実現させました。
十九回で語りました 「桜」 色のたとえ(例)です。
なな何と 「大胆不敵」 で 「オシャレ(お洒落)」 な発想。
以下、そのテクニック(技)を書いてみます。
★ 表は文字サイズ「中」でご覧下さい ★
「春」はあけぼの でなく 「春」の花木は
平安の世・京都 一月~三月 重ね(襲)色 |
今の世・東京・近郊 2月中旬~5月中旬頃 |
紅梅 表白 裏蘇芳 桜 表白 裏紅 すみれ 表紫 裏薄紫 山吹 表朽葉 裏黄 藤 表紫 裏萌黄 つつじ 表蘇芳 裏薄紅 柳 表白 裏薄緑 若草の数々 表薄緑 裏濃緑 梨の白い花 |
湯島・亀戸の 白・紅梅 上野・隅田の 桜 観賞用の パンジー? 越生町の 山 吹 牛島・亀戸の 藤 根津・笠間の つつじ 秋の幸水・長十郎等美味しい 道路脇の アザレア 母の日の カーネーション |
蘇芳(すおう) 黒味を帯びた赤色
朽葉(くちば) 赤味を帯びた黄色 か(枯)れ葉の色
萌黄(萌葱)(もえぎ) 青と黄との混色 ねぎが蕾から出た色
(秋葉 「萌え系」 fashion、萌え出ずるの 「萌」 )
ってな感じ。
花木は清少納言さんが 「枕草子」 で整理してお書き下さっていま
すので、その中から取り上げました。(今後の四季共に) 続く。
清少納言 枕草子の衣装(服) に関する色々。
襲色目と重色目の資料 はこちらでご覧頂けます。
☆ ボストンの松井秀喜さんに 「エール」 が届いた?
ワールドシリーズも「5・5 松井 Go ・Go ・Go」。
| 固定リンク
コメント