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2005年9月 5日 (月)

十二単(枕草子) 十五

 前回、清少納言さん達は10kgの服を着ておられた話をしました。
 とても「重い」のですが、「苦・ありゃ、楽・あり。」 なのです。
 なな何と、メリット(昨今の言い方では 「お得」)があったのです。
 「枕草子」(九十四段)に、あの清少納言さんが 「十二単」 を
 おめしになったまま腹這いで寝ておられたと書いてあります。
  これは一体どうしたことか。
 そうなんです。
 この時代 (かなり時代が下っても) には、「お布団」 が
 無かったのです。
 当然 「ふっかふっかのベッド」 なんてしろもの(代物)
 もありません。
 この時 (戦国時代までも?) の最上の敷物は
 「畳」 なんですって。
 それもお使いできるのはごく一部の方、
 「帝」 及びその周辺の方々のみだったそうです。
 「畳」 と云っても 「決して・決して」 ふかふかではないですよね。 
 タッチは 「カナリーイタイ」。
 ここで、「服」 がお役に立ちます。
 「畳」 と 「人肌」 の間に、「服」 がクッションの代わりに。
 この場合は、「服」 の着数が多ければ多い程、痛くなく、暖かです。
 更に 「掛け布団」 としての代用も可能です。
 さて清少納言さん。
 「帝」 は 「畳」 使用可ですが、
 少納言さんは使うことはできません。
 今の私達から考えると 「チョイト、カワイソウ」 なのですが、
 板敷き (フローリング) の上でお休みになっておられました。
 そこで 「十二単」 が大活躍。
 「めでたし・愛でたし?」 です。 続く。

「十二単の彩色画」 は こちらへ
「十二単と単品の絵」 は こちらへ
「枕草子に登場する衣装の詳細は」 はこちらへ
(中宮定子 ・淑景舎 ・清少納言らの十二単)

 訂正 「枕草子」(九十四段)の所
  数々の写本で章段が異なりますので、
  「五月の御精進のほど,職に・・・」で始まる段に訂正します。

 ☆ 台風14号が接近中。
  皆様、くれぐれも、お気を付け下さい。

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