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2005年8月19日 (金)

みやびと服(絵・空・事) 七

 ミラノ続きで、色に関する 「エーー。」 はまだまだあります。
 今の普段着 (カジュアル)ファッションは
 「藍色」 のデニムがこの世の春ですが、
 その昔アースカラーのチノクロス (やや厚手で綾織りの綿布) の
 パンツ (通称チノパン) が一世風靡をしていた時代がありました。
 アースカラーは服飾語では
 大地の色とか土の色でベージュ系から茶系の色となっています。
 ミラノに赴く前にイタリアの生地やさんから
 アースカラーのサンプル色を見せられました。
 それ迄は土の色ですからせいぜい
 「乾いた土色のベージュから雨を含んだ土色の茶」
 のバリエーション位だろうと高をくくっていました。
 それが何と想像を絶するおびただ(夥)しい色味がある色数でした。
 黄味を帯びた色や赤味の分量が多い色に唖然としました。
 「エー、なんで。」 って感じ。
 しかし、この驚きはミラノ上空からみた 「光景」 で
 一挙に解決されました。
 目に飛び込んできたのは、
 伊の生地やさんが送って下さった
 アースカラーのサンプル色なのです。
 この 「絵」 を見る前は、
 さすが 「あちらの」 カラーリング担当のデザイナーさんは
 「違うは」 と思い込んでいたのですが。
 「なあーんだ現物色であるんじゃない。」 ですか。
 ちょいとがっかりやら・ああ良かったやらと
 微妙な感じを覚えたことがありました。
 確かに、あちらは石と土の文化、こちらは紙と木の文化。
 燃えて無くならない石(煉瓦)の長い時間をかけての
 色合いの変化具合には恐れ入りました。
 赤味の色は建物、特に屋根の色だったのです。
 まるでこれが 「絵・空・事」 のよう?  次回へ。

          十二単の「絵」はこちらへ。

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