みやびと服(絵・空・事) 七
ミラノ続きで、色に関する 「エーー。」 はまだまだあります。
今の普段着 (カジュアル)ファッションは
「藍色」 のデニムがこの世の春ですが、
その昔アースカラーのチノクロス (やや厚手で綾織りの綿布) の
パンツ (通称チノパン) が一世風靡をしていた時代がありました。
アースカラーは服飾語では
大地の色とか土の色でベージュ系から茶系の色となっています。
ミラノに赴く前にイタリアの生地やさんから
アースカラーのサンプル色を見せられました。
それ迄は土の色ですからせいぜい
「乾いた土色のベージュから雨を含んだ土色の茶」
のバリエーション位だろうと高をくくっていました。
それが何と想像を絶するおびただ(夥)しい色味がある色数でした。
黄味を帯びた色や赤味の分量が多い色に唖然としました。
「エー、なんで。」 って感じ。
しかし、この驚きはミラノ上空からみた 「光景」 で
一挙に解決されました。
目に飛び込んできたのは、
伊の生地やさんが送って下さった
アースカラーのサンプル色なのです。
この 「絵」 を見る前は、
さすが 「あちらの」 カラーリング担当のデザイナーさんは
「違うは」 と思い込んでいたのですが。
「なあーんだ現物色であるんじゃない。」 ですか。
ちょいとがっかりやら・ああ良かったやらと
微妙な感じを覚えたことがありました。
確かに、あちらは石と土の文化、こちらは紙と木の文化。
燃えて無くならない石(煉瓦)の長い時間をかけての
色合いの変化具合には恐れ入りました。
赤味の色は建物、特に屋根の色だったのです。
まるでこれが 「絵・空・事」 のよう? 次回へ。
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