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2005年8月 7日 (日)

みやびと服(もののあわれ)三

 異なる色感覚の持ち主 (式部さんと絵を描かれた方)。
 更に困ってしまうのは、絵巻は、紙に顔料で着色してありますので、
 時の流れとともに色はあ(褪)せますし、
 紙はく(朽)ち果て、挙げ句の果てが虫に食べられボコボコの穴が。
 これが 「もののあわれ」 ってっか。
 そんなものですから後の世にお生まれになった方が修復に次ぐ修復。
 そんなこんだで、
 いろんな感性をお持ちの方の集合作になってしまっているのです。
 今 「絵」 で見られるのは
 徳川美術館・五島美術館などで、との事です。
 又、最近では科学的に処理され、
 デジタル映像で再現しようとご努力されておられるとの事です。

 そこで服なのですが、
 「絵」 がその様な状況ですのでいわずもがなです。
 源氏絵巻に描かれている平安衣装は、あ・り・ま・せ・ん。
 (私たちしもじものものが見られるものとしては。)
 (ひょっとしたら五摂家の末裔でいらっしゃる
  近衛家のお蔵に有るやも知れません。有れば感激。)
 ほんの一握りの方々しかお召しになっておられないのですもの。
 布は 「絹」 の極上品ですが、
 何度もお召しにならず、洗濯はしないで 「お下がり」 に。
 今の若いお嬢さん方には
 「お下がり」 と云うものがお分かりになるかは?
 ほんのちょっと前までは、お姉さんの着ているものを、
 「いや」 とか 「ほしい」 とかは別として妹さんが着せられていました。
 これが 「お下がり」。
 平安時代は、余程へそが曲がっている方はいざ知らず、
 ほとんどの方が 「ほしい」 でした。
 頂いた方は、やがて又、次の方へと脈々と。 次回へ。

          十二単の「絵」はこちらへ。

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