十二単(重ね着) 十三
超レイヤードルックの 「十二単」、重ね着 (かさね(襲)) の
「色のグラデーション」 及び 「配色の妙と補色使い」
につきましては、別の機会に語ります。
今回は 「十二単」 の12について。
12は、アイテム (品目) が12あったと云うことではないようです。
「みやびと服 十」 でお話ししましたように、
ガウン三を五枚 (五衣) にした場合は
確かに単品が12点で 「十二単」 になります。 しかし、
いつの世も規制された中での 「オシャレ」 の競い合い。
藤原道長さんち (家) でお仕事なさっておられた赤染衛門さん
(衛門と云っても女性ですよっと。) が、
お書きになったと云われている
「栄花物語」 の二十四・若ばえの巻によりますと、
何とガウンを18点から20点おめしになった方がおられたとの事。
そうなると単品で22点から24点 (唐衣・裳・袴などを足して)
になり、「二十二単」、「二十四単」 になってしまいます。
これには、さすがの道長さんもびっくり。
道長さんのお嬢さん (紫式部さんがお仕えした彰子さん) は、
「ガウンは六枚と決めたのに、おきて(掟)破りはいけませーん。」
とムズムズされたご様子だったとか。
「二十二単」、「二十四単」 をおめしになっていたのは、
その時の皇后さんにお仕えするキャリア (女房) 達。
彰子さんは既に 「オバサマ」 の域。
若い世代は、いつものごとく 「のり(則)」 を超えるのであります。
「いとをかし」 じゃなく 「とってもス・テ・キ(素敵っ)」。 続く。
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