みやびと服 一
とっても悔しい事なのですが、
平安時代の女性の装束、と云うよりも私たちの知る限り
「お召しもの
(その時々に身にまとっていたと思われる衣服・着物・ワードローブ)」
が、かなり時を下らないと現存しないのです。
「だから知ーらない」 と云うわけには、
携わっている仕事上云えないものですから、逃げ腰気味に語ります。
源氏物語・紫式部日記は 「言葉」 での表記です。
それらの内容を 「絵」 と 「ことば(詞)」 で表現したものが、
源氏物語絵巻・紫式部日記絵巻です。
それぞれ出来上がったのは、言葉で1010年頃、
源氏絵で1000年代の終わり頃、
日記絵で鎌倉時代となっているそうです。
それらの事をもっぱ(専)らお調べになっておられる方が
お決めになった事ですから、間違いがない事と前提にしても、
一番短期で作られた源氏絵でさえ物語の出来上がりの後
70年から80年経過しています。源氏絵をお作りなった方は、
当然物語をお読みになり、「感じ」、「絵」 に表現されたわけです。
そしてここがとても大事な所なのですが。
そのお方の五感を以て感じて作製した絵は、
その方の 「活きていた時空(時と空気)」 を
背景にしていると云うことなのです。
ゆえに源氏物語絵巻は、
その時の空気を感じて書いた式部さんの源氏物語を
彼女はこの様に感じたであろうと
勝手に考えて 「絵」 にしたのではなく、
その方の感じた時空で 「絵」 にしたのです。
例えば、道長さんが式部さんにお渡しなった
おみなえしの花の 「色」 は黄色です。
式部さんの 「きいろ」 とその方の 「黄色」 は
同じものではあろうはずがないと思います。
ここらで、ちょいと筆を置いてでなく、
キーボードへのタッチをお休み。
次回へ。
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