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2005年7月27日 (水)

みやびと服 一

 とっても悔しい事なのですが、
 平安時代の女性の装束、と云うよりも私たちの知る限り
  「お召しもの
 (その時々に身にまとっていたと思われる衣服・着物・ワードローブ)」
 が、かなり時を下らないと現存しないのです。
 「だから知ーらない」 と云うわけには、
 携わっている仕事上云えないものですから、逃げ腰気味に語ります。
 源氏物語・紫式部日記は 「言葉」 での表記です。
 それらの内容を 「絵」 と 「ことば(詞)」 で表現したものが、
 源氏物語絵巻・紫式部日記絵巻です。
 それぞれ出来上がったのは、言葉で1010年頃、
 源氏絵で1000年代の終わり頃、
 日記絵で鎌倉時代となっているそうです。
 それらの事をもっぱ(専)らお調べになっておられる方が
 お決めになった事ですから、間違いがない事と前提にしても、
 一番短期で作られた源氏絵でさえ物語の出来上がりの後
 70年から80年経過しています。源氏絵をお作りなった方は、
 当然物語をお読みになり、「感じ」、「絵」 に表現されたわけです。
 そしてここがとても大事な所なのですが。
 そのお方の五感を以て感じて作製した絵は、
 その方の 「活きていた時空(時と空気)」 を
 背景にしていると云うことなのです。
 ゆえに源氏物語絵巻は、
 その時の空気を感じて書いた式部さんの源氏物語を
 彼女はこの様に感じたであろうと
 勝手に考えて 「絵」 にしたのではなく、
 その方の感じた時空で 「絵」 にしたのです。
 例えば、道長さんが式部さんにお渡しなった
 おみなえしの花の 「色」 は黄色です。
 式部さんの 「きいろ」 とその方の 「黄色」 は
 同じものではあろうはずがないと思います。
 ここらで、ちょいと筆を置いてでなく、
 キーボードへのタッチをお休み。
  次回へ。

          十二単の「絵」はこちらへ。

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